6/21に多摩市立中央図書館にて、「アニメ語り『メイドインアビス』S1」を開催しました。
※本編のネタバレを含みます
アニメ語りででた意見を再構成・加筆編集してます。
課題アニメ『メイドインアビス』1期
・つくしあきひと先生が漫画原作のアニメ版
・ちなみに現在、1期→映画 → 2期までアニメ化されています
(映画はTVシリーズと地続き「鬼滅方式」とも言える構成です。)
①感想や印象的だったシーン
• ミーティの悲しい過去と救済が特に印象に残る。
• ミーティが「死ねない存在」であり、ナナチとの関係性が深い。
• 命の重みや葛藤、人間性の話が主軸。
• リコの行動には感動と疑問両方の声がありました。
②オーゼンやボンドルドというキャラの魅力
• 嫌なやつに見えていいやつもいる。悪か善かは割り切れない。
• ボンドルドという「悪のカリスマ」。ヒールながら人気キャラ。
• 「命に軽視しているが、世の中に貢献もしている」という多面性。
・ 単なるサイコパスではなく歪んだ愛や彼らなりの正義がキャラを引き立たせている?
(ボ卿に関しては映画会があったらさらに語りたいですね)
③作品テーマの解釈と思想
• 呪いと祝福の二重性が作品全体に貫かれている。
• 「喪失=獲得」「死=救済」という哲学的な構造。
• ソクラテス的・実存主義的テーマも内包。
• 探求や冒険の裏にある重い代償と意味。
• 障害や欠落などを「祝福」として再解釈。あるいは、フラットに物事を捉え直すリフレーミングの視点。
• 現実での障害などのメタファー的側面。
• 社会に対する問題提起や問いかけとしての作品性。
④つくしあきひとの作家性
• フェティシズム・不摂生・趣味性の強さ。
• 現実の厳しさや不快さも「作品としてのリアリティ」に昇華。
⑤倫理的問題と視聴者の前提
• 現実と虚構のリアリティラインによって行動倫理が決まる。
• 12歳の子供に過酷すぎる旅を課すのは非現実的、あるいはやりすぎ?
• 早朝や夕方、ゴールデン枠と「深夜アニメ」の文脈の違い。
• 視聴者のアニメ歴により見方が大きく変わる。
• 文脈や慣れが必要なジャンルであるという認識の共有。
・アニメ語り一発目で扱う予定ではなかったと言う主催者側の意図。
⑥映像・音楽・演出面の評価
• 映像美や音楽が非常に高評価。
• 演出の重さや没入感を感じる人も多い。
• 「アニメとしての完成度は高い」という意見でほぼ一致。
⑦まとめ・今後の展望と会の意義
• 好意的な人、倫理的に懸念を持つ人、両者が共存。
• 作風や価値観に戸惑いながらも、語る場の意義はあると思いました。
• 映画や2期もいずれ扱いたいです。
• 次回は「市民ケーン」(映画)を扱います。
• 読書会のようにアニメを語る場がなく、そのような場を作りたいと思って企画しました。
• また一方でアニメを観てこなかった人へ観るきっかけとなることも目的の一つです。