「リサーチのはじめかた」感想

「リサーチのはじめかた」ということで、確かにリサーチを専門とする人を前提に書かれてはいるんですが、本作では自分なりの「問い」を見つけるところから、分野やテーマに惑わされず、自分なりの研究を突き詰めて一つの成果にするところまでかなり実践的に述べられているので、なにか書き物をしたいという人なら誰しも充分に読む価値があるかと思います

 

まず本書では「問い」というものを重視しておりまして、パーソナルな問題こそ研究に値するというスタンスなんですね

 

ただこれを追求するのは難しく、どうしても研究というものは先行研究を追ったり、周りの研究者と関わるうちに流されてしまって、自分の問いを見失う状態に陥りがちなんですよね(ゼミエアプ)

 

本書ではそんな中でも、分野での集まりと問題集団(問題を共有する集団)の切り分け方、問いの核になる部分以外を削ぎ落とす方法、他人流されずに逆にうまく使う方法まで、自分の問いを形にしていく一連の手法を示してくれています

 

細かい手法は書ききれないのでぜひ本書を読んで欲しいのですが、とりあえず「テーマ=問いではない!」という部分だけでも心に留めておければ儲けものかと

テーマはいくら絞り込んでも、結局何を主張したいのかという出口には辿り着けないんですね

 

とにかく本書は既存の枠にとらわれず研究で邁進する実践的な方術を提示してくれております

 

研究者ではない私にも、先入観にとらわれずに自分なりのリサーチを言語化していく参考になりました

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