「独裁の中国現代史ー毛沢東から習近平までー」感想

最近小説を読んでると文化大革命や中国共産主義に関することがしばしば言及されているので、気になって読んで見ました

 

他の中国の内情本を読んでないのでどこまで信頼性があるかはわからないですが、歴史弱者な私でも簡潔に概観を取ることができました

 

特に興味深かった点を抽示します

 

 

なぜ毛沢東はスターリンから冷遇されてたのか

 

・共産党のソ連派の王明に目をかけてた、毛沢東はスターリンからすれば共産党を乗っ取った

・抗日戦争でも毛沢東はコミンテルンの指示と逆行してイモってた

・風呂入らない、歯磨きしない、不潔

 

 

息子の毛岸英チャーハン事件

 

朝鮮戦争において毛沢東は息子の毛岸英(もうがんえい)を亡くします

毛岸英とググると何故かサジェストに卵チャーハンが出てくるので何でか調べた結果、一説によると空爆中に腹が減ってた毛岸英は、避難命令を無視して卵チャーハンを作っていたら、その煙で敵に居場所がバレて爆撃されて亡くなったそうです

さらに

“中国の有名シェフがSNSに卵チャーハンの動画を投稿したところ、国家主義者から毛沢東の長男を侮辱しているとの批判を浴び、二度と卵チャーハンをつくらないと宣言せざるを得なくなる騒ぎがあった。”

https://www.cnn.co.jp/amp/article/35212191.html

だそう。私もこんなことを書いていたら消されるんですかね?

 

 

百花斉放・百家争鳴(ひゃっかせいほうひゃっかそうめい)」

 

1956年スターリンの独裁批判を受けて、自分は独裁者じゃないことを示そうとした毛沢東

 

毛沢東「今から自由な意見を言って良いことにしまーす!」

知識人「オケ!共産党やばすぎ、人殺しすぎ、学問芸術の自由ない、無教養、人でなし、アメリカの方が先進国!」

毛沢東「……やっぱりお前ら調子乗ってるから逮捕するね」

知識人「罠だ!陰謀だ!」

毛沢東「陰謀じゃないよ、陽謀だよ」

 

 

中華人民共和国大飢饉

 

 人民公社が農民から奪った土地の管理するようになるが、彼らの政策はうまくいかず飢饉を迎える

 

自然環境無視の農業

有名な「除四害運度」蝿、蚊、ネズミ、スズメを駆逐。スズメの減少で害虫大量発生、飢饉が起きる

 

「放衛星」

増産政策失敗→地方幹部「処分怖い、出世したい…そうだ!嘘ついてたくさん収穫できたことにするンゴ」→党中央「お前らやるやん、税金とノルマ増やしとくな」

このように農作物の収穫量を(衛星を打ち上げるが如く)過剰報告が横行すし、地方困窮ループに入った

 

毛沢東の教養源

人民公社を開設するとき毛沢東は外国語ができなかったので、コミューンのモデルはマルクス主義ではなく三国志の「張魯伝」

 

 

鄧小平の四つの近代化

 

1976年毛沢東の死後、華国鋒が主席となるが、鄧小平が彼を批判し知識人の民主化運動の波に乗り華国鋒を追い落とす

 

しかし、その後は毛沢東主義者の鄧小平は知識人の民主化運動を弾圧

 

鄧小平は工業、農業、軍、科学技術の近代化を掲げ市場経済体制への移行を示す

 

先富論(せんぷろん)という、良い条件の整った分野から先に豊かになってその影響で他も分野も豊かにする戦略をとった

 

これで民主化すると思われたが、結果先に共産党が肥えてしまいより独裁体制強くなった

 

この辺は権力争いやら、政策の空回りやらでなにがしたいのかわからんですね

 

 

感想

 

個人的な感想ですが、毛沢東という人物は思想的な誘因というよりは野心のために力を発揮する

また、学生、農民、軍隊の扇動に卓越しており、恣意的な粛清を辞さない胆力があったためトップまで上り詰めることができたように思えた

 

やはり文革の悲惨さは、政策の行き詰まるたびに恣意的な「敵」を設定し粛清していたところが一つ大きい気がします

 

一番気になっていた文革の背景や、毛沢東という人物に触れることができてよかったです

次はソ連やドイツあたりを抑えたいですね

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