NEW!『SLOW 仕事の減らし方』感想

カル・ニューポート先生の『SLOW』読んだのでメモと感想

本書を一言でいうと

生産性を高めるためには、仕事を減らし、心地よいペースで働き、質を追求する「スローワーキング」が有効である。


なぜ「スローワーキング」が有効なのか

従来の「生産性」は、多くのタスクをこなすことが重視されがちだが、それは「疑似生産性」にすぎず、本質的な成果とは呼べない。

知的労働においては、タスクの量よりも、余裕を持ち、クオリティを追求することが真の成果につながる。

仕事をあえて削減し、ひとつのプロジェクトに集中することで、間接コストが減り、創造性とアウトプットの質が向上する。また、一定の強度で働き続けるのは非効率であり、持続可能な働き方ではない。

SLOWー実践例

例えば、同時に4つのレポートを進めると、管理作業に多くの時間を取られ、1つのレポートを完成させるのに倍の時間がかかる。しかし、1日に1つのレポートに集中すれば、管理コストが減り、効率的に作業を進められる。

また、スケジュールを「自動運転モード」にする。つまり、特定の曜日・時間に特定の作業を割り当てることで、余計な意思決定の負担を減らせる。

さらに、仕事のペースを調整するために、年間の一部をオフシーズンとするなど、季節性を取り入れる方法も有効である。

結論

長期的に高い成果を出し続けるには、仕事の量を減らし、余裕を持ち、クオリティを追求することが重要だ。スローワーキングを取り入れることで、より創造的で持続可能な働き方が実現できる。

<感想>

昨今やっと、長時間労働やブラック企業などが疑問視されるようになってきましたが、まだまだ社会は生産性や効率に傾いている実情。こういう言説が盛んになって、バランスが取れてくるといいなぁと願望。

「疑似生産性」と本質的な成果を区別する視点や、管理コストの削減が生産性向上につながる点が明確に示されていて説得力がありました。

個人的には、スローな作業環境は意識できてますが、注意散漫傾向のため、シングルタスクの方はわかっちゃいるけどなかなかできない。反省

年間のリズムを作るというアイデアは、あまり意識してなかったので面白い視点でした。

ただ、仕事を減らしたりオフシーズンを設けるなど、個人の立場に依存しすぎていて、大衆的に実現するのは難しいなあとも思いました。

とはいえ、先ほども申しましたが偏った社会に批判を突きつけるという意味でも重要な発想だと思いました。

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