スキーマとはざっくりいうと「情報のまとまり」のことです。
人間が、ものごとや状況など関する知識を整理して保存しておくための「頭の中の枠組み」とも言えます。
例えば、「歯医者」という言葉を聞いてどんなことが頭に浮かんでくるでしょうか。
単なる職業の一つでは?と思うかもしれません。しかし「歯医者」という言葉からはさまざまな情景や感情、感覚が連想されるはずです。甲高いドリルの音、待合室での不安感、独特な消毒液の匂い、それらを全て含めたものがあなたの「歯医者のスキーマ」なのです。
また、人は何度か体験したことは、いちいち意識的に考えることなく行うことができます。
例えば、「通勤・通学する」こと一つとっても。家から駅まで行くのに「まずこの道を右に曲がって、……、カバンから定期券を出して、改札機にかざして、改札を通って、定期券をカバンに戻して、案内板を見て、自分の行き先を確認して……」など、(最初の数回を除いて)いちいち頭で考えないはずです。
これもスキーマがなせる技なのです。
このようにスキーマは作業を自動化・効率化してくれる時にも役に立ちます。一方で、あるスキーマは認知や行動の悪癖として生活を邪魔してくることもあります。
この悪癖スキーマについては、またいずれ書きたいと思います。