自閉症コミュ障じゃない説⁉︎ 【エディンバラ・ノッティンガム・グラスゴー・テキサス大学の研究】

ノート

最近のエディンバラ・ノッティンガム・グラスゴー・テキサスの英米4大学の共同研究で

「自閉症の人はコミュニケーションが苦手だと考えられがちだけど、実は『相手との神経タイプの違い(ミスマッチ)』が原因なだけじゃないの」

というものがあったのでメモと感想。

簡単にいうと、自閉症グループと非自閉症グループと混合グループで伝言ゲーム型を行ったら。同タイプ同士なら情報をうまく共有でき、非自閉症同士と同水準(この点は先行研究と一致)だったと言うもの。

しかし今回は、混合グループで情報が崩れやすいという先行研究の特徴は再現されなかった

今までは、自閉症は臨床的には社会的コミュニケーションの障害によって定義されるため、とりわけ自閉症同士の情報共有が非効率だと想定されがちであったため、この結果は意外なものである。

なぜ今までの想定や先行研究と一致しなかったのかとしては、

・参加者の多様性(年齢・性別・人種・IQ・拠点)が大きく、神経タイプだけの効果が薄れた可能性。

・また、実験課題は一方向の伝言で、現実の双方向で動的な会話の難しさ(混合でのすれ違い)が出にくかったのかもしれない。

・マスキング(合わせようと頑張ること)の度合いなど、別要因も影響の余地。若い参加者はマスキングが強く、混合での成績やラポールを押し上げた可能性がある。

ので、完全に今までの説が否定されたわけではないんだけど。通説に一石を投じたと言える。

当事者としては、自閉症者にもいろいろだと思うが、「情報を正確に伝えること」に問題は感じない。もっと「対人コミュニケーションへの感情的な不安」や、それゆえの「会話の回避」、「話し始めると自分の世界に入り込んでしまうこと」がコミュニケーション上の障壁に感じる。

また、論文中でも一部触れているが、「どうせ自閉症者はコミュニケーションが苦手なんでしょ」当事者にも定型者側にもあることは問題だと思う。

とはいえ、少なくとも情報伝達における不得手さに関しては希望ある結果。続報に期待。

Crompton, C. J., Foster, S. J., Wilks, C. E. H., Dodd, M., Efthimiou, T. N., Ropar, D., Sasson, N. J., Lages, M., & Fletcher-Watson, S. (2025). Information transfer within and between autistic and non-autistic people. Nature Human Behaviour, 9, 1488–1500. https://doi.org/10.1038/s41562-025-02163-z

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