心の理論(Theory of Mind: ToM)とは、自分自身および他者に心的状態を帰属させることによって、他者の行動を説明し予測することを可能にする能力のこと。
わかりずらいので少しかみ砕くと、人は相手の行動を見たときに、ただ「そう動いた」で終わらせずに、その行動の裏にある「見えない心の中身」を当てはめて考えようとする、ということです。
また、それを他人だではなく、自分にも同じように当てはめる(=自分はなぜそうしたのかも、気持ちや考えで説明する)ということも含まれます。
ToMには2つの構成要素があります。一つは、他者が感じている感情を推測する能力を指す「情動(感情)ToM」。もう一つは、他者の思考・信念・意図について推論する能力を指す「認知ToM」である。
ToMを効率的に扱えれば、環境の中で適切に行動し、他者と相互に関わることができます。
いくつかの神経発達症や、早産児においてToMはときに困難であることが示されています。
さらに、脳および末梢神経系の損傷の結果として、ToM能力の低下が見られること、また高齢者では加齢に伴いToM能力の低下が見られることが報告されています。
次回は、心の理論を測る上でもっとも有名な誤信念課題(サリー・アン課題)について見ていきましょう。

