「知識の呪い(curse of knowledge)」とは
いま自分が知っている情報をいったん脇に置いて、知らない/より情報の少ない視点に立とうとしても、無自覚に「いまの知っている状態」に引っぱられてしまう認知バイアスのことです。
たとえば、経済学(「情報の非対称性」など)でよく置かれていた仮定で、情報を多く持つ側は、情報の少ない側の判断を正確に再現できるはずだが、現実にはしばしばそのかぎりではない。このような偏りの原因を 「知識の呪い」 と呼んでいるんんですね。
このことは、より多くのことを知っている人は、たとえそれが自分の利益に反しても、手元の情報を無視できない。すなわち必ずしも「情報が増えれば良い」とは限らむしろ損をすることがある、ということをしめしています。
さて、先日紹介した誤信念課題(古典的サリー・アン型)は、「誤信念推論」+「知識の呪いを乗り越える」という二つの力求められてるといえます。
この二つがどう違うかというと、
誤信念推論:相手が「現実とは違うこと」を信じている、と相手の信念内容を表象してその行動を予測する力。
知識の呪いを乗り越える:自分が知っている「現実の正解(本当の場所など)」に引っ張られるバイアスを抑えて、相手の視点に合わせて判断する力。

