「遺伝率」は遺伝しやすい割合”ではない”‼

メモ

先日は進化という大きな話を見ていきましたが、本日は「遺伝」という身近な話を扱っていきましょう。

「遺伝率」と聞くと一見遺伝しやすい割合のように聞こえますが、実はそうでもないということなのでみていきましょう。

遺伝率とは

遺伝率とは、「ある特徴や性質が、どのくらい遺伝的な要因によって決まっているか」を示す指標のことです。

これだとよくわからないので、もう少し言うと、

遺伝率が高い特徴:身長や目の色など、親から子へ遺伝する要素が強いもの

遺伝率が低い特徴:好きな食べ物や話す言語など、環境や経験によって大きく影響を受けるもの

遺伝率は 0 から 1(0%〜100%)の間で表され、

遺伝率が 1(100%)に近いほど、遺伝の影響が強い。
遺伝率が 0(0%)に近いほど、環境や経験の影響が強い。
ということです。

例えば

例えば、身長の遺伝率は約 80% と言われています。これは、親の身長が高ければ子どもも高くなりやすいことを示します。(これだけ見ると「遺伝率は遺伝子しやすさ」のようですが…)

一方で、話す言語の遺伝率はほぼ 0% です。これは遺伝ではなく、育った環境(家庭や地域)によって決まるからです。

注意点としては、遺伝率が高いからといって「必ずそうなる」というわけではありません。環境との相互作用によって結果は変わることがあります。

遺伝率が高い=「遺伝のしやすさ」ではない理由

さて、「遺伝率」というのは、ある集団の中で個人差のうち何%が遺伝的な要因によって説明できるかを示したものです。つまり、ある特徴(たとえば身長)の個人差を生み出している要因が、環境より遺伝の影響が大きければ「遺伝率が高い」と言います。

しかし、これは以下のような誤解を招きやすいです。

✖「遺伝率が高い=親から子への遺伝が起きやすい」

○「遺伝率が高い=集団内での差の大部分が遺伝的要因で説明される」

具体例でわかりやすく説明すると…

①「人間の指の数」を考える

人間の指の数は通常、みんな 5 本です。

指の数にはほとんど個人差がないため、**遺伝率は計算上ほぼ 0 になるか、そもそも定義できません(分散がほぼ 0 のため)。

しかし実際は、指の数という特徴そのものは遺伝情報によって強く決まっています。

つまり、「遺伝しやすさ」(遺伝情報として決まっているかどうか)と「遺伝率」(個人差が遺伝要因で説明できる割合)は全く別の概念なのです。

②「二本足で歩く能力」では

人間は遺伝的に二本足で歩きます。

ですが、人間集団内ではほぼ全員が同じように二本足で歩くため、個人差がほぼありません。

その結果、遺伝率は計算上ほぼ 0 になるか、測定できませんが、「二本足で歩く」という特徴そのものは遺伝的に決まっています。

まとめ

遺伝率はあくまで集団内の個人差の原因を示すものであり、「遺伝のしやすさ」を示すものではない

個人差がほとんどなければ、どれだけ遺伝的に決定されていても遺伝率は 0 に近づくか、そもそも定義できない場合がある。

このように考えると、遺伝率が高いというのは「遺伝しやすい」のではなく、「その特徴の個人差が主に遺伝要因によって説明される」ということが理解できますね。

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