先日、トップダウンとボトムアップの話をしました。その際どちらかが優れているわけではないと言い添えたのですが、今回はボトムアップの有名な譬話「群盲象を触る」を紹介します。
仏教のパーリ語経典よりーー
ある王様が盲目の人たちを集めて象に触れさせ、「象とはどんなものか、語ってみよ。」と聞きました。
”
頭を触った者は「象は壺のようなものです」と言った
耳を触った者は「象は箕(み)のようなものです」と言った
牙を触った者は「象は鋤(すき)の刃のようだ」と言った
鼻を触った者は「象は鋤(すき)の柄のようだ」と言った
胴体を触った者は「象は倉のようだ」と言った
脚を触った者は「象は柱のようだ」と言った
大腿を触った者は「象は臼のようだ」と言った
尻尾を触った者は「象は杵のようだ」と言った
尻尾の先を触った者は「象はほうきのようだ」と言った
こうして彼らは、「これが象だ!それは象ではない!それは象ではない!これが象だ!」と言い合い、互いに拳で殴り合いました。 ”
この話を受けて、仏陀はこう言いました
”
「ある修行者やバラモンたちは
断片に執着して、それだけをすべてとする。
争い合い、口論するのだ、
一部しか見えていない者たちは。」
”
この盲人と象の話は、情報の断片だけにとらわれると全体像が見えなくなること示す寓話です。
ボトムアップに、細部の情報(脚や尻尾など体の一部)だけを見ると「象という動物」という全体を見誤ることです。
さて今回はボトムアップの例を取り上げましたが、次回はトップダウンの実例を取り上げたいと思います。
出典:Bhikkhu Sujato 訳『Udāna 6.4(Tittha Sutta)』(SuttaCentral, CC0)より翻訳
https://suttacentral.net/ud6.4/en/sujato?lang=en&layout=plain&reference=none¬es=asterisk&highlight=false&script=latin