2024年5月に読んだ13冊!おすすめ本

5月に読んだ本です

HP作りやら、会の企画やらで全然読めませんでした…ランク付けするほどでもないので、特に良かったものだけ紹介

 

「変身」

 

個人的に一番良かったのはカフカの「変身」でした。

 

理不尽小説なんて言われていますが、なぜ主人公は変身したのかなど野暮な理由語りや謎解きなどせず、ひたすら理不尽と変化と観察を描き続けたのが良かったです。

 

この小説だけ読むとカフカも文豪らしい理不尽と葛藤の人間(偏見)なのかと思いきや、学生時代はリア充だったようで、職場でも熱意はないが有能など、興味を引く人物だったので今後も彼については読んでいきたいですね。

 

 

「リサーチのはじめかた」

 

本作では自分なりの「問い」を見つけるところから、分野やテーマに惑わされず、自分なりの研究を突き詰めて一つの成果にするところまでかなり実践的に述べられている著作。

 

リサーチを専門とする人を前提に書かれてはいるんですが、なにか書き物をしたいという人なら読む価値がありです

 

とりあえず「テーマ=問いではない!」という、テーマはいくら絞り込んでも、結局何を主張したいのかという出口には辿り着けないというところから納得しまくりでした

 

研究者ではない私にも、先入観にとらわれずに自分なりのリサーチを言語化していく参考になりました

 

 

「母という呪縛 娘という牢獄」

 

「滋賀医科大学生母親殺害事件」に関するノンフィクション作品

 

本作の感想は個人的に書きにくい…

 

理由としては、切り口が多すぎて、例えば、母親のパーソナリティ、娘のパーソナリティ、微妙な家族関係、社会的な病理など色々なことが想起されて、これでスパッと問題解決とは思えない内容であること

 

もう一つは個人的なことですが、自分も毒父育ちなので、主人公への教育虐待の内容が酷すぎて過去が想起されることもそうなんですが、それ以上に彼女の強さへの嫉妬と言いますか…

 

自分は「毒父のせいで人生苦労した」と卑屈なところがある一方、あれだけのことがあっても反省して強く生きている(ように見える)主人公のメンタリティへの下卑たる羨望といいますか…

非常に複雑な想念が噴き上がってくる一冊でした

 

とはいえ、このような家庭のリアルな内情をまとめ上げ、世に出した素晴らしい作品

 

欲を言えば、なぜ母親がこれほどまでに極端な選民思想、学歴主義、コンプレックスを持つに至ったのかという部分をもっと掘り下げて欲しかったですね

 

 

「〈責任〉の生成」

 

國分先生のようにオピニオンリーダーになりつつある人の本や発言は、彼ら語彙やロジックが便利すぎて、それに頼りすぎてしまうきらいがあるので遠ざけるようにしていたんですが

 

たまたま読書会の課題本が重なり2冊読んでみました

 

特に本作が良かったのは、扱っているテーマの一部がASDと身近だったこと。その上で「ASDは個人差が大きいから当事者研究てきな視点って不可欠だよね」という視点から入っていたので強く共感できました 

 

また共著の熊谷さんとの対話形式だったので、思想に偏りすぎず、逆に個人の体験にも埋没しすぎず、実践と思想を行き来していたのも、穿った批判思考が湧き上がることなく読めたポイントでした

 

 

また他の作品の感想も書きまーす!(空手形)

 

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