NEW!スプレッディング・アクティベーション(Spreading Activation)とは?

メモ

スプレッディング・アクティベーション(Spreading Activation)とは?

ひとことで言うと
知識は “点” ではなく “網” で保存されており、どこか一か所が点灯すると、つながった先もじわじわ明るくなる仕組み」です。

1. 基本的なイメージ ― ネットワークに電流が走る

  • 私たちの頭の中の概念(単語・イメージ・経験など)がノード(点)として互いにリンクで結ばれたネットワークになっている、と仮定する。
  • あるノードが刺激を受けて活性化(発火)すると、その電流が糸を伝って周辺のノードへ “拡散”する。
  • 距離が近い結びつきが強いノードほど強く、速く活性化する。遠いノードには弱い光しか届かず、しばらくすると消えていく(減衰)。

例)「消防車」と言う言葉を聞く
→ 直後に「赤い」「サイレン」「ホース」などが頭に浮かびやすくなる。これを「意味プライミング効果」と言います。

まとめ

  • スプレッディング・アクティベーション =「関連する記憶や情報がドミノ倒し式に活性化するメカニズム」
  • 要するに「頭(あるいはデータベース)は “つながり” でできており、ひとつ思い出すと連鎖的に他も思い出しやすくなる」という、ごく直感的な原理を、モデルとして定式化したもの。

2. セマンティック・プロセシング(semantic processing/ 意味処理)との違い

さて先日解説したセマンティック・プロセシングも似たような概念でしたが、この二つはどのように異なるのか比較してみます。

Spreading Activation(拡散活性化):心内にある意味ネットワーク内で,ある概念が活性化すると隣接ノードへ電気のように活性が広がる仕組みのモデル。

自動的で無意識で素早い。

Semantic Processing(意味処理):入ってきた情報を意味レベルで吟味すること。単なる形や音より深く、記憶が強く残りやすい処理のこと。

相互作用

意味処理をすると関連概念が活性化しやすくなるので,Semantic Processing → Spreading Activation が強まる。逆に,活性化済みの概念があれば意味処理は効率化される —— 両者は「別だが協調し合う」関係にあります。

まとめ

Spreading Activation は〈概念間を走る自動連想〉のメカニズム,Semantic Processing は〈つながりのある情報を意味づけ情報処理〉というもの──目的もレイヤーも異なるが、互いに補完し合って私たちの思考と記憶を支えている。

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