翻訳者さんとして有名な鴻巣さんの新書
本書では日本文学が英米進出してる理由は、単に個々の作家の力だけに限らず、世界の文学市場の変化にある、と分析しているんですね
例えば、一つはヒーリングフィクションやフェミニズム文学など、世界的な潮流にあるジャンルで日本文学が認められていること
また、国際的な翻訳賞が設立されたり、価値が見直されていること
英語ヘゲモニーが崩れつつある中で、若者を中心に海外文学に目が向けられていること
優秀な翻訳者を養成する機関が設立され、小さくても実力を持った翻訳出版社が台頭していること
など
大局的な見方がされていて面白かったです
他に興味深かったのは、翻訳者は場合によっては著者と同等に重要である(が英米では軽視されていた)
かつては海外の文学賞はラスボス扱いでしたが、今は挑戦の選択肢が増えてどのタイミングでも海外に挑戦できるようになってきた
野球で例えると日本のプロ野球を経ずに、直接メジャーリーグに挑戦できるようになった、みたいな感じでしょうか
(野球界では田澤選手が有名ですが、NPBは直接世界挑戦の道を閉ざすようなルールを作りましたが)

